思い出の海に帰るときは


 久しぶりの名曲紹介は、作詞がU崎、作曲がF原さんという空前かつ絶後ともいうべきソングライトチームの手になる「思い出の海に帰るときは」です。U崎、それからF原さんには勝手な掲載でごめんなさい。


 実は僕、この曲を現役時代に「生」できいた記憶がなくって、昨年S吉のところへ遊びに行ったときにS吉が焼いてくれたDVDでこの曲の存在を知ることとなったのですが、以来、僕の中では数あるRFCオリジナル曲群の中でも相当大きな位置を占める名曲中の名曲となりました。どうしてこれほどの名曲を僕が現役時代に知らなかったかというと、後述するようにこの曲がレコーディングされたタイミングが少し遅かったことによるものでありましょう。


 この曲は、F原さんのオリジナル曲としてはめずらしく「共作」というかたちをとっている点でも異色ですが、レコーディングに参加したメンバーがS吉、T留さんとすでにRFCを卒業したメンバーである点でも異色です。
 さらにこの曲、これをレコーディングするために、沖縄から福岡へ行ってそこでS吉のピアノ、シンセ、ドラムマシンを録音し、そこから鹿児島へ行ってそこでT留さんのベースを録音し・・・、とまるで「母をたずねて三千里」のような千里の行程を経ているという点でもかなり異色といってもいいでしょう(ちなみにこの曲のCDに収録されている生ピアノはS吉の福岡の実家にあるアップライトとのこと)。
 これほどの手間がかけられ、これほどの豪華メンバーが参加した録音がどれほど素晴らしいか、おそらく関係者のみなさまには想像に難くないでありましょう。


 何より、あれほど詩想豊かでことばにこだわるF原さんのめがねに適っただけあって、U崎が紡いだ歌詞には忘れがたい印象が残ります。
 

 ”思い出の海に帰るときは 雨が降っていればいい・・・
  北北東の風にふかれて 想い出たちがやさしくなる・・・”


 いいねえ・・・。「想い出たちがやさしくなる」なんてフレーズ、どうやったら思いつくんだろう。お世辞抜きで「詩才」を感じないではいられません。もちろん、F原さんがつけた旋律も相変わらず美しくメロディアスで、さすがとしかいいようがありません。エンディングのF原さんの「ひとりツインギター(たぶん)」も思い入れたっぷりで聴き応え十分です。


 ということでS吉へお願い。DVDプレイヤー早く直してみんながこの名曲を聴けるよう、そのうちPV制作よろしくね。