こころに残る名言集(その2)

「音楽が楽しめるのはプロよりアマチュア」(by F原さん)


 プロになったことのない僕に、この言葉の当否を判定する資格などもちろんありませんが、基本的にはF原さんがおっしゃるとおりではないかと思います。そしてそれはひとり音楽に限らず、おおよそ創作にかかわる仕事をしている人たちにはたいがい当てはまるのかもしれません。
 もちろんプロの場合、アマチュア的楽しみを手放す代わりに、自らの創作物が、人に感動や、勇気や、影響や、生きる力を与える・・・というような、より「高次の楽しみ」を得られるという点においては、アマチュアの比ではないでしょうが(たぶん)。
 とはいえ、アマチュアの中にも、やたら批評眼ばかりが肥えてしまい、人の作品をけなしてばかりどころか、自分のつくり出す創作物の完成度の低さを自分で許せず、結局年がら年じゅう批判ばっかりして何も生み出さない、というような非生産的なアマチュアもいないわけではありません。その点、僕が敬愛してやまない福沢諭吉大先生は、読書ばかりして何も生み出さないような人を「飯を食う辞書」と卓抜な比喩でもってこきおろしていますが、ほんとうにそのとおりだと思います。
 しょせんアマチュアなんだから、音楽でも映画でも文学でも、あんまり難しいこといわずほがらかに楽しみたいものです(自戒を込めて)。