DADGAD(ダドガッド)

 週末にNHKで放送された「親父バンドバトル」で、あるアコースティックバンドがアコギを「ダドガッド」なるチューニングで演奏していたのをみて、僕はたいそう感心したのでありました。
 恥ずかしながら、僕はギター暦30年にならんとするこの齢になるまで、ギターにそのようなチューニング方法があることなどまったく知りませんでした。
 念のため申し上げれば、「ダドガッド」とは、文字通りギターを6弦から順に「D・A・D・G・A・D」と調弦する方法だそうで、6弦と2弦と1弦の3本が通常よりそれぞれ1音低いチューニングとなっています(ジミー・ペイジがこれを多用してたとかなんとか言ってました)。
 さっそく自宅のギターを「ダドガッド」にチューニングして、まず開放で鳴らしてみたところ・・・、
 ジャラララララン・・・。
 おおっ!開放弦なのにまるで「ハード・デイズ・ナイト」の出だしみたいな響きがするではありませんか。
 試みにローコードで、C、D、E、F、G、A、Bをそれぞれ鳴らしてみると、中坊の頃から押さえ続けている構えと、実際に鳴り響く音との違いに、ちょっと戸惑わざるをえない感じです。それもそのはず、それぞれのフォームにおける低音弦からの構成音をもとにコードネームをつければ、


(1)C・・・レ・ド・ミ・ソ・♭シ・レ = C7add9
(2)D・・・レ・ラ・レ・ラ・ド・ミ = D7add9
(3)E・・・レ・シ・ミ・♯ソ・シ・レ = E7
(4)F・・・♭ミ・ド・ファ・ラ・♭シ・♭ミ = F7sus4
(5)G・・・ファ・シ・レ・ソ・ラ・ファ = G7add9
(6)A・・・レ・ラ・ミ・ラ・シ・レ = Asus4add9
(7)B・・・ミ・シ・♯ファ・シ・♯ド・ミ = Bsus4add9


 のようになるではありませんか。
 ブルーノート(短7度)とテンション(9度)が混在している「ダドガッド」の響きはほんとに新鮮です。皆さまもぜひお試しください。
 えっ、「今ごろダドガッドかよ」ですって。こりゃまた失礼いたしました。