踊るC念に見る地蔵

 Uに所属していた時、ボーカルを担当していたC念からしきりに苦言を呈されたのが僕の演奏中における「動きのなさ」でした。たしかにこの間H尾が送ってくれたDVDを見ても演奏中の僕はほとんど「棒立ち」状態、これではC念でなくても「もっと動けよ〜」という気持ちになるのが当然です。
 そのようなわけで、Uが「5大学」で演奏することになった時、C念からくれぐれも念押しされたのが「Y口さんアクションよろしく」というまさにその一点だったのです。
 曲はレベッカの「フレンズ」。I田さんの叩き出す強烈な8ビートに合わせ、当然C念はノリノリ。その動きたるや当時かなりの人気を博していた吉川晃司のよう・・・といっては誉めすぎでしょうか。
 それに対して僕は、やっぱり動けない。動きたくても動けない・・・。もちろん頭では「動かなきゃ」ということはわかっているんです。だけど身体がついていかないんです。
 ということで当日のステージも、ノリノリの吉川晃司と棒立ちの三善英史が、あるいは躍るC念と見る地蔵が、同じ舞台に立っているとでもいうべき対照的な風情でありました。したがって僕は、「あの時はすまないことをしたね」と20有余年の時を経てもなお、C念に詫びるほかないのであります。