謎の3人組の演奏にぶっとぶ

 琉大祭の準備に追われていたある日、後輩のO野たちと教養棟のピロティ近くを歩いていると、突然、ピロティで練習する謎のバンド(3人組)と出くわしたことがありました。
 ドラムとベースとギターから成るその3人組のバンドがピロティに設置していた機材はお世辞にも立派なものではなかったし、エフェクターなどイクイップメントの類も皆無だったけれど、ところがところが彼らがいざ弾き始めたD・パープルの「バーン(こうやってカナで書くとマンガの効果音みたいで何だかマヌケだなあ)」をきいた瞬間、僕らはぶっとんでしまったのです。
 ギターのリフのドライブ感、バンド全体のグルーブ感、あれほどストレートで力強い「バーン(う〜ん、やっぱりこの表記はマヌケだなあ)」はめったにきけるものではありません。太古の昔、人類が初めて音楽に目覚めて以来DNAに刻み込まれている原始的なパワーを秘めた音楽、荒削りでシンプルだけど根源的な何かにはたらきかける音楽、ひとつひとつの音が子宮に響く音楽(たぶん)・・・。ヘビメタ好きのO野などは口をあんぐりあけたまま感動のあまり言葉も出ないようすでした。僕もきっとおんなじだったに違いありません。それくらい彼らのパフォーマンスはまったくもって素晴らしかった・・・。
 ピロティという日常的な場所に突然出現した謎のバンド、そして彼らが奏でた神がかり的な「バーン」。あの人たちは、きっと音楽の神様が僕たちに「あんたらもっと真剣に音楽せんといかんよ、レッツグルーブ!」というメッセージを送るために遣わした天使たちだったのかもしれません(それにしては彼らの格好はとても薄汚かったけれど)。