名機ポリ・シックス

 以前、友人がレコード盤で持っていたアルバムをCDに買い換えたら、音が「悪くなった」というようなことを言っていました。普通に考えればアナログ信号がデジタル信号になるのだからノイズなども低減して音は良くなりそうに思うのですが、その友人はしきりに「レコードの方が音がよかった」と嘆いていたのが不思議でした。
 その友人の話しが「腑に落ちた」のは、RFCが長年愛用した「ポリ・シックス」というシンセを、老朽化のため「DX7」に買い換えたとき。DXもそれなりにベストセラーになったシンセで、名機の誉れも高かったのだけど、なぜか僕はDXの音がいまひとつ気に入らなかったという経験をしたとき。特にストリングス系の音は、ポリの方が圧倒的にDXよりもよかった。「あったかみ」というか「ゆらぎ」というか「人間味」というか、うまく言葉では表現できないけれど、どういうわけかDXの音よりポリの音の方が好きでした。もちろんこれは個人的な「好み」の問題。でも、なんというか、2進法ではとらえられない「0」と「1」の「あわい」みたいなものがあるんだよなあ、この世界には・・・。デジタルだとどうしてもとらえられない微妙な機微というか。
 だから僕は携帯電話が大嫌い。風情がないもの。絶対いらないもんねーーだ(全然関係のない話しになって恐縮です、それにパソコンはよく使ってます。ごめんなさい)。