おいしいアルバイト

琉大フォークソングクラブ(RFC)のOBであり、「サウンド沖縄」の代表でもあるJ文字さんは、コンサートに必要な機材や運搬用トラックの貸し出しなど、いろんな場面でRFCの活動を支えてくれた僕らの大恩人ともいえる先輩です。
そのJ文字さんが、たまに僕ら部員に紹介してくれたのがコンサート・スタッフのアルバイト。仕事はコンサート当日の機材搬入や会場整理などの肉体労働で、日給はたいてい5,000円(弁当付き)。このアルバイトを「おいしい」と感じるかどうかは人それぞれですが、少なくともタダでプロのコンサートを見られるだけでも(ただし会場整理係に「当選」した場合)、僕にはほんとうにうれしかったのです。
 僕がアルバイトしたのはメジャーどころでは「長渕剛」「杏里」「カシオペア」など。中でも長渕は、僕が高校時代から愛してやまなかったアーティストであっただけに、リハーサルから本番まで、「ナマ長渕」をじっくりと堪能できたのは最高の幸せでした(そう、この時は会場整理係を射とめたのです)。何より、RFCで同期だったT城と二人で、おそるおそる色紙を持ってリハーサル後の長渕の楽屋を訪ね、心良くサインしてくれた時は、まさしく天にも昇る気持ちでした(思えばあの頃(‘83年)の長渕はよかった。「素顔」とか「夏祭り」とか「交差点」とか「こんなに愛してるのに」とか、まっすぐひたむきにこちらに駆けてくる子犬のような風情の楽曲が多かった・・・。その後、右傾化&思想化する一途の長渕には、もう僕はついていけなかった・・・)。
 さて、コンサートがらみのアルバイトには、上述した当日スタッフ以外にも、「ポスター貼り」という地獄のようなアルバイトがあったのですが、これについてはまたいずれ・・・。