感激!山下達郎コンサート

4月2日、宮崎市の市民文化ホールで開催された山下達郎さんのコンサートに出かけてきました。
達郎さんのコンサートは初めてでしたが、いやあ、さすがです。すごいです。コーラスの方3人を含めた総計9人による演奏のクオリティの高さは、なんというか突き抜けているとしか言いようのないものでした。


出だしはいきなり「スパークル」。達郎さん本人による切れ味のいいカッティングは、これまで何百回きいてきたレコードの音とまったく同じで、最初の数小節で早くも僕は泣きそうになってしまいました。
 以下、「さよなら夏の日」「ライド・オン・タイム」「クリスマスイブ」「ユア・アイズ」などなど、耳になじんだヒット曲もしっかりと演目に入れてくださり、まさに感涙・感激もののあっという間の3時間半でありました。
 歌声も今年で御歳63歳とは思えないほどの声質と声量で、加齢による劣化のようなものはまったく感じませんでした。達郎さんもMCで話されていましたが、「たばこを1日3箱吸っていた30代の頃よりも声が出る」とのことでした。だいたい、まったく休憩なしで3時間半ものステージを歌いっぱなし、弾きっぱなしでこなすのですから、気力、体力も含め、驚くほかありません。
 ステージのセットも、60年代のアメリカ西海岸の一角といった感じで、本物のパームツリーや海辺のホテル、刻々と変わる背景の海や空の色など、まさに達郎さんのレコードジャケットそのままという感じでした。


 それにしても、ふつう、達郎さんほどのビッグネームにもなれば、大都市にあるアリーナだとか球場だとか、何千人、何万人規模の会場でやるのが昨今の風潮だし、商業ベースで考えてもそっちの方が手っ取り早く動員が確保できそうなところですが、達郎さんの場合、「会場は小さくても全国各地での開催にこだわっている」とのことでした。
 なんというありがたさ。ファンを大切にするとは、まさにこういうことではないでしょうか。おかげで、僕のような地方在住のファンも、こうして達郎さんのコンサートを楽しむ機会に恵まれたのですから…(もちろんチケットの入手はかなり困難ではありますが…)。
 この点、ちょっと売れたらすぐに大都市のアリーナとかで万人規模のライブをやりたがる最近の業界関係者の人たちは、達郎さんの爪のアカでも煎じて飲んでほしいところです。


 達郎さんのライブ中のMCで驚きの話しがありました。
 バックのひとり、サックス担当の宮里さんは、なんと僕と同じ宮崎県小林市出身とのこと。都城市のライブハウスでサックスを吹いていた宮里さんの演奏を聴きに、達郎さんご本人がお忍びで訪れ、演奏を聴き、メンバーに引き入れることを決められたとのことです(達郎さんはかねがね宮里さんの評判をドラムの小笠原拓海さんから聞いていたそうです)。
 達郎さんの耳に適うようなすごいプレイヤーが宮崎にいたということも驚きですが、達郎さんほどの大御所が、無名(当時)のサックスプレイヤーの演奏を聴きに、わざわざ宮崎まで足を運ぶという熱意、音楽愛に僕は感動したのでした。
 さすが達郎さんに認められただけあって、宮里さんのサックスは素晴らしかったです。達郎さんの多くの楽曲でサックスが果たす役割はとてつもなく大きいし、それをしっかり果たしている宮里さんの演奏に、僕は自分のことのように誇らしい気持ちになったのでした。
 

 ツアー日程によると、今週9日、10日は沖縄市民会館でのコンサートとなっています。しかもツアーの締めです。もしかしたら、RFCの関係者の方で行かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 いいなあ…。沖縄で達郎さんのコンサートを聴くなんて、これ以上のぜいたくはありませんよね。