セルティブ・ブルース・バンド

 僕が琉大フォークソングクラブ(RFC)に入部してすぐ、同級生のT軽、T城、S間と結成した泡沫バンド。
 以前、ここにも書いたとおり、ビートルズを敬愛してやまなかった僕は、将来バンドを結成したら、バンド名は絶対に「ザ・セルティブ(The Seltaeb)」にしようとずっとあたためてきたのです(説明するまでもありませんが、“セルティブ”とは“Beatles”の綴りを反転させたものです)。どうです、なかなかイカしたバンド名でしょ?
 ところが、バンド結成の念願が叶い、メンバーのT軽に上のバンド名を提案したところ、T軽のタコが「それじゃ短かすぎる。俺はブルースが好きだからブルースという単語を入れるべし」と「とほほ」な提案。さらにT城やS間までもが「『セルティブ・ブルース』じゃ意味がわからないし、僕たちバンドなんだから最後に『バンド』って言葉をつけたほうがいいさぁ」と、傷口に塩を塗るがごとき「とほほ」な提案。その結果、晴れて表記の「セルティブ・ブルース・バンド」という、木に竹を接いでさらにワラを接いだような「むごい」バンド名が決定したのでした(嗚呼・・・)。
 そのようにスタート時点から暗雲の漂っていた僕らのバンドは、案の定、部内コンサートに1〜2回出ただけであえなく解散。だいたいT軽はチョーキングのたびに腹でギターを弾くし、T城はハイハットに合せて鯉がエサを食むように口をパクパクさせているし、S間はベーシストというより現場のおっさんというたたずまいだし、何より僕がボーカル担当で歌はへっぽこへろへろ・・・。
 これで無謀にもビートルズの“バースデイ”や“アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア”やクラプトンの“ワンダフル・トゥナイト”なんかを演奏していたのだから、ああっ穴があったらアルゼンチンまで潜りたい!
 ともあれ、僕のRFCにおけるバンド遍歴は、このバンドからスタートしたのでした。